毎日運動しているのに痩せない!50代、なぜ?1回目

~更年期・筋肉・ミトコンドリア・NEATから読み解く本当の理由~

第1回 「50代の体で何が起こっているのか?」

先日、お客様からこんなご相談をいただきました。

「毎日歩いて、教えてもらった筋トレも続けているのに、全然痩せないんです。」

この言葉を聞いて、「運動量が足りないからですよ」と一言で終わらせることは簡単です。

しかし、本当にそれだけでしょうか。

50代になると、若い頃とは体の仕組みそのものが変化してきます。

その変化を理解せずに、「もっと歩きましょう」「筋トレを増やしましょう」とアドバイスをしても、なかなか結果には結びつきません。

実は、この「痩せない」という現象の背景には、

  • 更年期によるホルモンバランスの変化
  • 筋肉量の変化
  • ミトコンドリア(細胞の発電所)の働き
  • 五大栄養素によるエネルギー代謝
  • NEAT(非運動性活動熱産生)

など、さまざまな要素が関係しています。

どれか一つだけが原因ではなく、すべてがつながっているのです。

そこで今回は、このテーマを一度では説明しきれないため、

全3回に分けて、できるだけ分かりやすく解説していきます。

  • 第1回:50代の体で何が起こっているのか?(更年期・ホルモン・基礎代謝)
  • 第2回:筋肉・筋サテライト細胞・ミトコンドリアの仕組み
  • 第3回:五大栄養素・NEAT・スマートウォッチを活用した健康管理

一般の方にも理解できるように解説しますが、美容師・エステティシャン・トレーナーなど、健康に携わるプロの方にも役立つ内容を目指して、専門用語もできるだけ省略せずに説明していきます。

「歩いているのに痩せない」は本当にある

まず最初にお伝えしたいのは、

「毎日歩いているのに痩せない」ということは、決して珍しいことではありません。

だからといって、「50代だから仕方ない」という話でもありません。

大切なのは、

『50代の体は、20代や30代とは違うルールで動いている』

ということを理解することです。

更年期とは「女性ホルモンが減る時期」

女性は40代後半から50代にかけて、更年期を迎えます。

この時期に大きく減少するのが、エストロゲンという女性ホルモンです。

エストロゲンは、「女性らしさ」を作るホルモンと思われがちですが、それだけではありません。

実は、

  • 筋肉量を維持する
  • 骨量を維持する
  • 血管をしなやかに保つ
  • 脂質代謝を整える
  • インスリン感受性を維持する

など、全身の健康を支える非常に重要な働きをしています。

私はよく、

「エストロゲンは体全体の現場監督のような存在」

と説明しています。

家を建てる現場では、大工さんや電気屋さん、水道屋さんがいても、現場監督がいなければ仕事はスムーズに進みません。

体も同じです。

筋肉や骨、血管、脂肪など、それぞれが正しく働くためには、エストロゲンという現場監督からの指示が必要なのです。

ところが、更年期になると、この現場監督が急に少なくなってしまいます。

すると、今まで当たり前にできていた体の調整が少しずつ難しくなっていくのです。

インスリン感受性とは?

ここで一つ、専門用語が出てきました。

インスリン感受性です。

インスリンとは、血液中のブドウ糖(血糖)を細胞の中へ運び、エネルギーとして使えるようにするホルモンです。

そして、インスリン感受性とは、

「細胞がインスリンの指示をどれだけ素直に聞いてくれるか」

という能力です。

これも私は、お客様にはこう例えています。

インスリンが「宅配便」、細胞が「家」だとしましょう。

宅配便が荷物を届けに来ても、家の玄関が開かなければ荷物は入れられません。

インスリン感受性が高い状態とは、玄関がスムーズに開いている状態です。

逆に感受性が低下すると、玄関が開きにくくなり、血液中に糖が残りやすくなります。

その結果、脂肪として蓄えられやすくなり、体脂肪が増えやすくなるのです。

更年期には、このインスリン感受性も低下しやすくなるため、若い頃と同じ食事量でも体重が増えやすくなる方が少なくありません。

「基礎代謝が落ちたから痩せない」は半分正解

よく、

「基礎代謝が落ちたから痩せないんですよね。」

という話を耳にします。

確かに、加齢によって基礎代謝は少しずつ低下します。

しかし、「基礎代謝が落ちた」という一言だけでは、本当の理由は説明できません。

基礎代謝とは、

何もしなくても、生きているだけで消費されるエネルギーです。

呼吸をする。

心臓を動かす。

体温を維持する。

脳を働かせる。

これらすべてにエネルギーが使われています。

そして、この基礎代謝を大きく左右するのが、筋肉量です。

筋肉は、体の中でも多くのエネルギーを消費する組織です。

そのため、筋肉量が減ると基礎代謝も低下しやすくなります。

ただし、筋肉量が減る理由は「年齢」だけではありません。

運動不足、栄養不足、ホルモンの変化など、複数の要因が重なって起こります。

つまり、「基礎代謝が落ちた」のではなく、

「基礎代謝が落ちる条件が少しずつ積み重なっている」

と考えた方が、体の仕組みに近いのです。

第2回予告

第2回では

「筋肉は何歳まで増えるのか?」

「筋サテライト細胞とは何か?」

「ミトコンドリアはなぜ『細胞の発電所』と呼ばれるのか?」

について、ATP(アデノシン三リン酸)やエネルギー代謝の仕組みも交えながら、さらに詳しく解説していきます。

最後に

ロンジェビティ美容=トータルライフビューティー

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